Column

値上げなのに売上アップ!〜デジタル活用で実現する『顧客が喜んで払う仕組み』〜

値上げは悪ではなく「信頼の証」

原材料費、光熱費、人件費——。どれを取っても上昇が止まらない中で、飲食店経営者が抱える最大の悩みは「値上げ」です。「お客様が離れてしまうのでは」との不安から、値上げに踏み切れず、薄利で耐え続けるお店も多いのではないでしょうか。

しかし今や、“どうにか値上げをしないでやり過ごす”という判断は、お客様に優しい選択ではなくなっています。値上げをしない前提で全ての経営判断を続けていくとなると、いつの間にか縮小・改悪のサイクルに入っていき、コストを無理に吸収することになりがちです。食材の品質を落としたり、サービスを削らざるを得ず、結果的にお客様の満足度を損ねる可能性が非常に大きいのです。

価格を据え置いたまま疲弊していくよりも、誠実に「価値に見合った価格」を提示する方が、長期的にお客様の信頼を守ることにつながります。つまり、値上げとは“裏切り”ではなく“信頼の証”。お客様に経営環境をしっかりと伝えることで値上げの了承をいただき、サービスの質を保つことを目標とすべきです。

近年の外食業界では、原材料の高騰が止まりません。小麦粉や油、肉類などは10年前の1.5〜2倍の価格水準。そこに人手不足が拍車をかけ、厚生労働省の統計でも飲食業の平均時給は過去10年で約20%上昇しています。もはや「据え置きで乗り切る」時代ではないことは明らかです。

「値上げしない勇気」より「変える覚悟」を

「値上げをしないことが誠意だ」と考える経営者も少なくありません。ですが、長期的にはその判断が店舗の体力を奪うことがあります。

例えば、価格を据え置くために人員を減らし、1人あたりの負担が増えると、スタッフの笑顔が消え、接客の質が下がる。疲れた表情で提供される料理は、どれほど美味しくても“安っぽく映る”のです。

お客様が感じる満足は、料理の味だけでなく、店全体の空気から生まれます。

「忙しそうで声をかけづらい」「会計で待たされた」といった小さな不便が積み重なれば、“もっといい店はないかな?”と考えるのは当然です。
つまり「価格を上げる勇気」ではなく、「価値を変える覚悟」が問われているのです。

ここで注目したいのは、値上げをうまく進めている店舗の共通点です。

それは「お客様に伝える姿勢が誠実であること」。

“仕方なく上げた”ではなく、“より良い店を続けるために必要な一歩”として明確に説明し、価格以上の体験を提供していることです。

「高くなったのに満足できる」お客様の心理

顧客は“値上げ”という行為そのものに腹を立てているわけではありません。

顧客の不満としてはっきりと出てくる時は、「以前と同じ内容なのに高くなった」「サービスが変わらないまま値段だけ上がった」といった“失われた価値”がある時なのです。

逆に言えば、「変化を感じる値上げ」は受け入れられやすい。たとえば、料理の質が上がった、提供スピードが改善された、店内が快適になったなど、お客様が“向上”を実感できれば、価格への納得感は高まります。

飲食店の提供する価値は「品質」「サービス」「体験」の三つ。どれか一つでも磨かれれば、価格の印象は大きく変わります。

特に“体験の質”は見落とされがちですが、実は最も重要な要素です。提供までのスピード、メニューの見やすさ、スタッフの気配り——こうした小さな体験の積み重ねが、お客様の満足をつくります。

「1000円の壁」を超えたラーメン店の多くも、味だけで勝負しているわけではありません。店のロゴや内装、券売機のデザインにまでこだわり、食券を買う時点から“プレミアム感”を演出しています。お客様は「特別な体験をしている」と感じることで、価格への抵抗感を自然に手放していくのです。

「価値づくり」は現場の細部から始まる

値上げを成功させるための第一歩は、「お客様の視点で店を見直す」ことです。

例えば、メニューを開いた瞬間に分かりづらい、オーダーの流れが煩雑、レジでの待ち時間が長い。これらの小さな不便は、無意識のストレスとして積み重なります。

顧客の満足は、こうした“見えない摩擦”を取り除くことから生まれます。

提供スピードを上げる工夫や、スタッフが気持ちよく動けるレイアウトの見直しも「体験価値」を高める重要な要素です。スタッフの動線を短くするだけで笑顔の頻度が増え、接客の余裕が生まれる。これはデジタル導入以前の「基本設計」として見直すべき部分でもあります。

お客様にとっての“快適さ”とは、単に早い・安いではなく、「スムーズで心地よい」ことです。

それを作る努力こそが、値上げの根拠となる“目に見える価値”になります。

デジタル活用が「納得の値上げ」を支える

ここで大きな役割を果たすのがデジタル化です。特にセルフオーダー端末の導入は、お客様とスタッフ双方に大きな変化をもたらします。

まず、注文時の待ち時間がなくなり、オーダー間違いも減少、スタッフを呼ぶ必要がなく、画面を見ながらゆっくりメニューを選べることで、お客様のストレスが軽減されます。小さな不便をなくすことが“体験の価値向上”につながるのです。

スタッフ側にも恩恵があります。オーダー取りや会計処理といった定型業務をデジタルに任せることで、スタッフは「人にしかできないサービス」に集中できます。

たとえば、「いつものお客様にひと声かける」「料理の説明を丁寧にする」など、人の温かみが伝わる接客に時間を割けるようになります。これが、値上げしてもお客様が喜んで払う店の本質です。

もうひとつの利点は、データの蓄積です。

『どのメニューが何時に売れているか』、『客層の変化はどうか』など、感覚ではなくデータで現状を把握できることで、メニュー改定や価格調整を科学的に行えるようになります。

「何となく売れている」から『こんなデータがある』というしっかりとした根拠をもとにした精度の高い判断が、スマートな経営へとつながります。

「スムーダー」が変える店舗と顧客の関係

こうしたデジタル化を現場で支えるツールとして注目されているのが、「スムーダー」です。

スムーダーは直感的な操作性を重視して設計されており、年配のお客様でも迷わず注文が可能。多言語対応で外国人観光客にもやさしく、料理写真を高精細で表示できるため、食欲を刺激しながら商品価値を自然に伝えます。

また、時間帯に応じてメニューを自動的に入れ替える機能もあり、売れ筋の変化に柔軟に対応。値上げやメニュー変更を行う際も、スタッフの手間を最小限に抑えながら、リアルタイムに反映できます。

実際に導入した店舗では、「お客様が焦らず選べるようになった」「スタッフが余裕を持てるようになった」という声が多く聞かれます。客単価アップと回転率の改善が同時に実現し、スタッフの満足度も向上しているのです。

スムーダーは“効率化の機械”ではなく、“顧客満足を高めるための仕組み”なのです。

まとめ

飲食店の値上げは、お客様を遠ざけるものではなく、未来への投資です。

これまで守ってきた味や品質を持続し、スタッフが笑顔で働き続けるための、必要で前向きな選択です。価格を上げることを恐れるのではなく、その分“体験の質”を上げる努力をすることこそが、次の時代の経営スタイルです。

スムーダーのようなデジタルツールは、その努力を支え、店舗の価値を見える化し、お客様との信頼を深めるパートナーです。

「値上げ」ではなく「進化」として価格を改定し、お客様が喜んで支払う仕組みを自ら作り出すこと。

これこそが、変化の時代を生き抜く飲食店に求められる新しい発想です。

“値上げなのに売上アップ”は、決して夢ではありません。

それは、「価格」ではなく「価値」で選ばれる店になること。
その一歩を、今こそ踏み出す時です。

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