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世界と日本を比較!キャッシュレスの現在と未来

カードやスマートフォンアプリがあれば、「キャッシュレス決済」で簡単に買い物ができる時代。日本でも政府による施策や新型コロナの感染拡大が後押しになり、キャッシュレス決済が身近なものになりました。しかし、世界で見ると日本のキャッシュレス決済の普及率はまだ低いのが実情です。

日本と世界の主要国のキャッシュレス事情、日本のキャッシュレス化が遅れている理由、今後の見通しについて考察します。

日本と諸外国のキャッシュレス決済比率を比べてみたら
一般社団法人キャッシュレス推進協議会の「キャッシュレス・ロードマップ 2022」に掲載された「世界主要国におけるキャッシュレス決済比率(2020年)」によると、日本のキャッシュレス決済比率は29.8%。対して諸外国では、韓国※の93.6%を筆頭に、中国※83.0%、オーストラリア67.7%、イギリス63.9%、スウェーデン46.3%となっています。
最新のデータでは、2022年6月に経済産業省が「2021年の日本のキャッシュレス決済比率は32.5%」と発表しました。キャッシュレス化が進んでいるとはいえ、世界で見ると日本はまだ遅れを取っていることがわかります。
※韓国、中国はEuromonitor International 2022より参考値として記載

なぜ、日本は世界に比べてキャッシュレス化が遅れているの?
日本でキャッシュレス化が遅れている原因は以下の通りです。

  • 治安の良さ:盗難が少なく、現金を落としても返ってくる可能性が高い
  • 現金に対する信頼:偽札の流通がほとんどなく、現金に対する信頼度が高い
  • 店舗レジの発達:レジでの現金処理が速く正確なため、現金やりとりが比較的スムーズである
  • ATMの利便性:全国に数多くのATMが設置されており、現金を容易に入手できる

諸外国でキャッシュレス決済が普及している理由
次に、諸外国のキャッシュレス化について確認しましょう。

  • 【韓国】国を挙げてキャッシュレス化を推進。消費者側には、クレジットカード利用額に応じた所得控除、クレジットカード利用時の宝くじ参加券付与などの施策を実施。店舗側には、年商240万円以上の場合、クレジットカード対応を義務化。
  • 【イギリス】もともと小切手社会であり、1987年にデビットカードが登場すると小切手の代替手段として利用が拡大。2007年からは非接触型ICカードが普及し、タッチ決済ネットワークが構築された。
  • 【中国】2002年に中国人民銀行主導により、金融機関が共同して設立した金融企業が「銀廉カード」を発行。中国で最も使用されるカードとして普及した。また、通信インフラ整備が遅れたことでスマートフォンの所有が急増し、QRコードを使うキャッシュレス決済が広まった。
  • 【オーストラリア】2007年よりタッチ決済の仕組みが確立されていたが、2011年以降、「Coles(コールズ)」「Woolworths(ウールワース)」という2大スーパーマーケットがタッチ決済を導入。キャッシュレス化がさらに進んだ。
  • 【スウェーデン】気候条件や人口密度の低さによる現金輸送コスト、金融機関を狙った強盗が多い現状を鑑み、金融機関と政府がキャッシュレス化を主導。小切手からデビットカードへの移行、公共交通機関での現金取扱い停止、現金を扱わない銀行の設置等の処置が実施され、キャッシュレス決済が普及した。

日本のキャッシュレス決済の未来
日本のキャッシュレス化の今後の見通しはどうなっているのでしょうか。経済産業省が2018年に発表した「キャッシュレス・ビジョン」では、「キャッシュレス決済比率を2025年までに4割程度、将来的には世界最高水準の80%まで上昇させることを目指す」と記載されています。その背景には、少子高齢化や人口減少に伴う労働者人口減少による生産性低下の課題があります。キャッシュレス化によって、店舗の省人化、現金資産の見える化、流動性向上等が実現し、税収向上やデータ活用による消費活性化につなげるのが狙いであるといえるでしょう。

さいごに
国によるキャッシュレス決済普及率の差は、施策や経済環境、生活習慣の違いによって現れます。世界で見ると日本のキャッシュレス化は遅れていますが、2025年に大阪・関西万博が開催されます。また、日本政府は新型コロナウイルスの水際対策の緩和を発表しました。インバウンド需要の再来が見込まれることもあり、国際化社会においてキャッシュレス決済の普及は不可欠であることはいうまでもありません。
キャッシュレス決済は消費者と店舗側双方にメリットをもたらします。今後も、政府によるキャッシュレス・ポイント還元事業などを賢く活用してキャッシュレス化を推進し、経済活性化につなげていきましょう。


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