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これがニュースタンダード?販促におけるAI活用

AIという言葉を耳にする機会が、近年ぐっと増えてきました。自動車メーカーはこぞってAIによる自動運転技術に磨きをかけ、将棋の対局では棋士の一手ごとにAIが判断する勝率が表示され、見るものをハラハラドキドキさせる。AIは私たちの生活をより便利にしてくれるという考えの一方で、近い将来にAIが人間の仕事の多くを奪ってしまうと、驚異として語られることもあります。AIとはいったい何者で、私たちの敵なのでしょうか。それとも味方なのでしょうか?

人間の仕事をサポートするAI
AI=人口知能。その概念自体は数十年前からありますが、近年ビジネス現場で注目を集めるようになった背景には、脳科学研究を応用した学習能力の飛躍的な進化があります。自律的に学習するようになったAIは、膨大なデータの中から人間には気づかないレベルの法則を発見したり、何日もかかって行っていたデータ解析を一瞬で処理することが可能になりました。人が苦手とする仕事をAIに割り当て、創出された時間で人にしかできない仕事を行う。AIは人の仕事を奪うのではなく、むしろ優秀なビジネスパートナーなのです。

小売業においてのAI活用
少子高齢化による日本の人口減少は、慢性的な労働力不足を引き起こしました。その中で企業は優秀な人材の確保に力を入れつつ、一方では早急な業務の効率化や経費削減を行う必要に迫られています。ところが小売業においては、商品の発注作業や販促業務など、多大な工数が発生するうえに、属人的でマニュアル化しづらい業務が多数存在しているのが現状。こうした小売業の課題を解決し、生産性を向上するための打ち手として、AIの導入が進められています。

では、実際どんなことができる?
それでは、小売業の現場で実際どのようにAIが活用されているのでしょうか。2つの事例を紹介します。

▼「需要予測」による発注作業のスマート化
小売店の業務効率化において大きな課題を抱えるのが発注作業です。経験や勘によって属人的に運用されるケースが多く、時間と手間がかかるうえに予想より売れなかったり、逆に想定外の売れ行きで欠品してしまうということも。AIを導入すれば、過去の販売実績や天候などから分析・予測を行い、瞬時に適正な発注数を算出。これにより発注作業にかかる工数が削減できるほか、フードロスの減少や欠品による機会損失を防ぐことができます。既に多くのコンビニエンスストアや大手スーパーチェーンなどが導入しています。

▼店内カメラの映像から、顧客の行動を分析
防犯用に設置していたカメラも、AIを導入すれば行動分析に活用できます。AIがカメラ映像を分析し、顧客が店内をどのように回って購買するのかをデータ化。さらに顧客が目的商品が決まったうえで来店しているのか、あるいはパッケージやポップを見て衝動的に購入するのかといった心理面まで可視化することもできます。これらの分析をもとに、導線を計算した最適な店舗レイアウトや、より効果的な販促活動が可能に。

ポイントカード・電子マネーとの相性は抜群?
AIの導入は、小売業におけるマーケティングや販促の部門でも大きな期待が寄せられています。たとえば、既に導入しているポイントシステムとの併用による販促の効率化。顧客情報をデータ管理できるのは、ポイントシステムの大きなメリットです。しかし、せっかく集まったデータを上手く活用できていないというジレンマを抱える企業も多かったのではないでしょうか。AIを導入すれば、ポイントシステムによって集積された顧客情報や購入履歴を分析し、「誰に・どの商品を・いつ告知するのが最適か」を予測することが可能に。「ポイント2倍セール」などの集客イベントを最適なタイミングで実施し、販促効果の最大化が見込めるのです。

さらに、店内カメラを使ったこんな活用法も。店舗内に設置したカメラの映像データからAIが混雑状況を分析。混雑度が低い時間帯を狙ったお得なキャンペーンやタイムセールをSNSで告知するなど、リアルタイムのプロモーションに活用することができ、アイドルタイムを減らす効果にもつながります。

さいごに
今回取り上げた事例はAIができることのごく一部で、その活用範囲の可能性はまだまだ計り知れません。だからこそ、小売業でAIを導入する際には「AIで何を解決したいのか」を明確にしておきましょう。AIは経営者ではなく、あくまで優秀で頼れるパートナー。しっかり事業計画を立てたうえで導入したいところです。

 

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